あ~イク恋愛生欲情の扉

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2024年 3月 の写メ日記一覧
宝乃ありな

宝乃ありな(26歳)

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せつなく ゆがむ おじかん です

せつなく ゆがむ おじかん です

私は、38歳になっている。
黒人と結婚をした。
寝ている旦那の胸に顎を乗せると、
なだらかな肩が丘のように続いているのが見える。
私の視界に移るその世界が、なんだか私の全てになったような気がする。
旦那のチョコレートみたいな色の耳に噛みつくと、旦那が目を開けた。
「オハヨウ、ハニー」
「オハヨウ、マイスイートボーイ」
そして、
旦那の真っ黒な腕に
たまらずに
噛みつく。
甘そう。
おいしそう。
だいすき。だいすき。
旦那は
そんな私を抱き締める。
たとえ
どんなに完璧な環境とか、お金が手に入るとしても、私はそれとあなたの胸に顎を乗せる快楽を引き換えにしようとは思わない。
もしも、
あなたを失えば皮膚がちぎれるような痛みだろう。
私は毎日、あなたの存在を確認して、安堵する。
そして、この幸福が消えてしまうのを恐れてあなたの姿を探す。
寝室のドアの向こう側からあなたの寝息が聞こえる。
その時の幸福感、そして不安感。
あなたには、わかるだろうか。
私も
38年間生きてきて、こんな気持ち、初めてである。
食べ物のように、お水のように、そして、まさに空気のように生きていくのに必要なもの、側にいないと駄目なものに、あなたはなった。
大袈裟なんかじゃなく旦那は私の心臓である。
私は、
まるで小さな子供のように、
あなたにつきまとい、
あなたにじゃれつき、
あなたの姿を毎日確認しないことには不安でどうしようもない。
瞳のはしっこに、あなたが映らない生活なんて、もはや絶望である。
それと同じように
旦那も家にいるときに私の姿が少しでも見えなくなると、
不安に襲われて、
まるで、
や、くぶつ患者のように私のことを涙目で探し回る。
そして
私は旦那と結婚してから、すっかり気楽になった。
欲望の対象がひとつに定まったからである。
私は欲深くて欲しいものがたくさんあったけれど、
今の私はあなた以外のものを何も求めない。
あなたのためだけにリップクリームを塗り、
香水を吹き付ける。
だから部屋にはいつも、いい匂いが漂っている。
愛する男を手に入れた女は、朝のシャワーの後に香水瓶の蓋を開ける。
場面は切り替わり、
旦那は
ポークチャップを作って、
私は
サラダを作った。
「ハニー、コレハ、ナニ」
旦那は、サラダの中のトマトを指さした。
「なにって、トマトよ。
トマト食べたことあるでしょ?」
「トマトはワカルケド、
ドウシテ、マルゴトなの?」
確かに
通常のサイズのトマトを
まるごとサラダに
ゴロゴロとinさせる女房は、
この世で、私ぐらいだろう。
私は
照れながら、
「ちょっと、ズボラ過ぎたかしら」
と言いながら
口を大きく開けながら
声を出さずに
笑ってみると
旦那も私と同じ顔をしながら、
ハハハッと、声を出して、笑い始めた。
それに
つられて
私も、声を出して、笑った。
「でも、ボク、トマトを、マルゴト、カジルノガ、スキダヨ」
「でしょ。
切り分けられたものより、
まるごと一個食べたいでしょ」
そして、
私は、旦那が作ったポークチャップにナイフをいれた。
旦那は
私が肉を口にいれる瞬間を
ドキドキしたような表情で見つめている。
「オイシイ?ナンテン?」
「…おいしい!100点!100点以上!
あなたって天才だわ。
わたし、こんなの作れないもん」
私たちは
よく食べ
よくキスをして
よく喋る。
私たちは
口を使うことが大好きである。
場面は切り替わり、
ある日、
私が
旦那のことを、ちょっと困らせたい気持ちになり、
いたずらっこのように家の中に隠れた。
最初は
あれー?よめちゃーん?
ちょっと不安そうな寂しそうな表情で、
私のことを探し始め、
だんだんと
「ハニー、ドコ?!」
と発狂し始めた。
まるで
迷子が親を探す姿にも見えるし、
親が幼い子供を探す姿にも見える。
そして
あらゆるところを探し始めた。
わたしは
笑いをこらえながら
そんな旦那を見ている。
嬉しい反面、
そんなに心配されると、
申し訳なくなり、
悪いことをしてる気持ちになり、
出るタイミングが
わからなくなるのも事実である。
旦那が
流し台の下の戸棚を開けて、
ハニー!
と私のことを呼んでいる。
そんなところに
大人の女が入れるわけないじゃん
という場所でも
旦那は片っ端から開けて、
ハニー!ありこ!ありこーーーー
と発狂している。
そろそろ冗談ですませないと、
捜索願いでも出されそうな気がしたので、
私が
おどけた様子で飛び出すと、
旦那が力が抜けたような
あほ面をした。
その顔が
おかしくて
私は、ケタケタと笑う。
「私が家出したとでも思った?」
「チガウヨ。
モシカシタラ、
窓からオチタのかなとか、エアコンディショナーが壁から落ちて下敷きになっちゃったのかなとか、
そうゆうこと、カンガエタヨ。
ほかに
すきなおとこが
できて
家出するなら、まだいい。
きみが
しぬことだけは、たえれない」
旦那は
私のことを
とても愛している。
場面は切り替わり、
旦那と結婚してから、2年。
私は、40歳になった。
旦那に、
他に好きな女が出来た。
旦那は
決して
それを隠してるわけではなくて、
言わないし、
言えないんだろう。
旦那は、
困ったような、
悲しいような表情で
私のことを見つめ、
そして私の髪の毛を撫でる。
そのたびに
私は胸が張り裂けるような悲しみに襲われて、
旦那の胸に顔を埋めて涙を流す。
行かないで。
離れないで。
私だけを見ていて。
始まりは
ふたりで燃え上がったのに
終わりは
片方だけが燃え上がっている。
始まりは
ふたりの意志が必要なのに
終わりは
片方の意志だけで終わりになるのである。
「だきしめて」
と言うと
旦那が力強く抱き締めてくれた。
「キスして」
と言うと
キスしてくれる。
「愛してると言って」
と言うと
困ったような
悲しそうな表情で
私のことを見つめてくる。
私は、
はらわたが煮え繰り返り、
血が出るほど
旦那の体に噛みつく。
黒いチョコレート色の肌から、
赤い血が滲んだ。
抱き締められても、
ちっとも愛を感じない。
感じるのは哀れみの感情だけである。
旦那は
当時と
同じくらいの力強さで抱き締めてくれる。
でも
そこに
当時と同じくらいの感情の重たさを感じないのである。
「もっと、もっと、つよく、抱き締めて」
「もっと、もっと」
「もっと、もっと、もっと」
私は
泣きながら
しつこく、ねだる。
旦那は
私のことを抱き締める形で、
私に体重をかけながら、
私の首を腕で絞めた。
苦しい。
私は
旦那の胸に顔を埋めたまま、抵抗しない。
抵抗出来ないぐらい強い力なのもあるけど、
抵抗出来たとしても、私は抵抗しないだろう。
頭がふわーっとしてきた。
そうして、
私は、旦那の胸の中で、心臓が止まった。
の いつかの夢シリーズ4
(;_;)
 

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