あ~イク恋愛生欲情の扉
札幌市中央区南5条西5丁目 第2東亜すすきのビル8F | 営業時間:8:30〜23:59
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宝乃ありな の写メ日記PHOTO DIARY 宝乃ありなのプライベートを覗き見! 随時更新中!
2019年 1月 の写メ日記一覧
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せつなく あえぐ おじかん ですリエコは高校生。処女である。そんなリエコは恋をした。リエコは、彼と「やりたい」と思った。リエコは処女のくせにせ、っくすの感覚も快感を知らないくせに、彼に出会ってから、いっちょまえに欲情することだけは覚えた。リエコは夜な夜な彼のことを思い浮かべながら、クリオナをしてみたけど、いまいち、イク感覚がわからないし、声の出し方もわからない。私もイケるようになるのだろうか。声は自然に出るようになるものだろうか。好きだから、気持ちよくなるのだろうか。それとも、気持ちいいから、好きになるのだろうか。男女は、好きだから、やりたくなるのだろうか。それとも、やりたいから、好きになるのだろうか。リエコにとって、せ、っくすというのは未知なる世界のものである。そんなもの、私に出来るのだろうか。誰かがリエコの側を通りすぎてゆくとき、リエコはいつも、それが見知らぬ人であっても、相手の手を掴んで立ち止まらせたくなる。さびしがりのせいだと思っていたけれど、恋をして初めて気付いた。リエコはいままで水を混ぜて、味がわからなくなるくらい恋という名の性欲を薄めて、ふりまいていたんだ。いま恋は煮詰め凝縮され、彼にだけ向かっている。赤ん坊はコウノトリさんが運んでくるわけではないし、彼への欲望は、コウノトリさんは、満たしてくれない。少しでも彼の気を惹きたくて、さりげなくさまざまな小細工を試みる。頭のいい彼に勉強を教えてもらうとき、数式をとくふりをして、指で髪を耳にかきあげる。耳たぶで揺れるピアス、手首の内側に乗ったコットンキャンディの甘い匂いがする香水、目尻のつけまつげ。さくらんぼ色のリップを塗った唇は、自然な赤みがさしているはずだ。リエコは、彼はゲイだと知った。リエコは彼が好きな男に接近した。そして、その男と仲良くなって、せ、っくすをした。彼を手にいれるためなら、なんだって出来る。好きじゃない男に処女をあげるくらい、ちょろい。そう思いながらも、リエコは自分の意思とは裏腹に涙を流した。なにをやっているんだろう、私は。処女をなくしたリエコは、女優になりきり、その男を口説き落とした。そしてその男はリエコにメロメロになった。そのことが彼の耳に入った。彼が嫉妬の入り交じった目で、リエコのことを睨む。彼は、リエコのことを愛することはない。リエコが彼のことが好きすぎて、狂ってしまうのと同じくらい、彼はこの男のことを愛しすぎて、狂っている。彼に嫌われれば嫌われるほど、リエコは悲しくなり、だけど私のことを愛してくれない彼なんて、もっと傷つけばいいという憎しみに変わっていった。場面は切り替わり、夜の7時近く、教室には誰もいなかったけど、校舎内にも校舎外にも生徒の気配はあった。リエコはまず紺の幅の広いプリーツの制服のスカートのホックを外して、ファスナーをおろした。スカートはストンと足元に落ちた。半袖の白いブラウスも脱ぎすて、中に着ていたタンクトップも水色のブラジャーも外した。憧れるのは黒のブラジャー。ブラジャーとちぐはぐなクリーム色のパンツを脱いだら、陰部からネバネバした細い糸が引き、途切れた。どんだけ興奮してるんだろう。もう処女じゃないから、私は淫乱になってしまったのだろうか。いや違う、処女だろうが、処女じゃなかろうが、私がもしも男だったとしても、私は彼に興奮していたし、彼のことを欲しがったであろう。足元にできあがった衣服の山を踏み越え、彼の席まで行き、彼の机の上にお尻を乗っけて座り、オ、ナニーをした。廊下から階段を上る足音がひたひたと聞こえてくる。私のいとしい人の足音。すぐにわかる。どんなに離れていても、リエコは彼の足音が、すぐにわかる。その足音はドアを開け、半歩進んだところで止まった。「なにしてるんだよ、ばかか」リエコは、ゆっくりと彼の顔を見た。せっかくリエコが裸でいるのに、彼は欲情の欠片もない怯えきった目つきから、リエコに対する敵意と嫌悪感むき出しにしてる目つきへと変化した。「あなたこそ、なにしてるの」「人を待ってる。呼び出されて、ここに来たんだ」「あいつのこと待ってるんでしょ?あいつは来ないよ。あのメモ書いたの私だもん。それに、あの男は、私に夢中だから。ゲイのあなたなんて、相手にされない。悔しいでしょ?女の私には勝てないのよ」「服を着ろ」「どうして?せっかく脱いだのに」「大騒ぎになる。そもそも、なんで脱ぐ必要がある?」「脱いだ方が自然だから」「なに言ってんだよ、まぢイカれてるよ、おまえ、早く俺の席から降りろよ。俺につきまといやがって、媚びてるのもバレバレなんだよ。初めて会ったときから、おまえのことが苦手だし、嫌いだよ。早く服きて、机からおりろ」「いや、おりない。一生、つきまとってやる」「ス、トーカーかよ、おまえ」「そうよ。いまさら気付いたの?」「いいから、服を着て、おりろっ!」怒鳴られて、ビクッとした。だけどリエコは開き直った表情で、彼のことを睨み付けながら、彼へと身を乗り出した。揺れた乳房が自分の右腕の内側に触れた。「わたし、あいつと、やりまくりよ。あいつ、わたしに夢中でシャネルのバッグを買ってくれたわ。それだけの価値が私の身体にはあるのよ。私の身体には、あいつの唾液がたっぷり付着してるから、あなたも私を抱いたら、間接キッスになって、めでたしめでたしじゃん」彼の顔からは表情が消えていた。リエコのことが嫌いでたまらない表情にも見えるし、リエコのことを哀れんでいる表情にも見える。頭の回路を切ってしまったかのような、不自然な静寂だけが彼を包んでいた。あまりに反応がないから、彼がこのまま帰ってしまうのではないかと不安になった。そしてその不安通り、彼が去ろうとした。彼の背中を見るせつなさには、もう耐えれない。リエコは机からおりて、教壇の前を走って、彼の背中に抱きついた。彼は逃げず、リエコは初めて触れた彼の肌触りに、彼の存在感に安心した。彼の身体もリエコの身体も混ざりあって、同じくらい暖かい。大好きだ、大好きだ。こんな気持ち、恋とも愛とも呼んではいけない。もう、いっそ、死んでほしいくらい大好きだ。彼が手にはいるのなら、私は、け、いむしょに入ることだって出来る。彼が手にはいらないなら、私は、け、いむしょに入ることだって出来る。彼に嫌われるなら、私は、け、いむしょに入ることだって出来る。彼に愛されるなら、私は、け、いむしょに入ることだって出来る。これが愛でもなくて恋でもなくて、じゃあ、なんだろう。じゃあ、愛がなんなのか説明できる人は、どれくらいいるのだろう。神様お願いします。なんでもしますから彼を、私にください。「やめて、はなして」落ち着いた、しかしか細い彼の囁きに、リエコは彼のシャツに額をつけたまま、首をふり、さらに彼を強くかき抱いた。「私を好きになってほしい。私のものになってほしい。おかしいって分かってるけれど、もう、どうしても止まらない」「どうでもいいよ、そんなこと」「おねがい。わたしのものになるまで、帰さない」身体中が震えて手にはもう力もこもらなくて、すがりついた状態なのに、おびえて甲高くなる声は、ますます高飛車に響いた。そしてリエコは意思とは裏腹に涙を流す。わたしはこんなにも汚れてしまった。もう戻れない。あんな男と、やりたくなかった。自分でも何してるのか意味わかんない。ぜんぶ、あなたのせい。憎い。憎い。憎い。そして、ほしい。「どうしたら、はなしてくれる?」「私のものになってくれたら」彼はリエコの腕の中でゆっくりと振り向き、優しいと言ってもいいほどの表情でリエコを眺めおろした。彼の心が急にぐにゃりと歪んでしまったのを感じながらも、リエコは彼の不吉なほど穏やかな声が、眼差しが嬉しかった。「どうやったら、君のものになれるの?」「だきしめて、きすしてほしい」彼の手がリエコの肩に回り、引き寄せられた。激しさのない、機械的な、あいさつのような抱擁。でも彼の暖かさであることには変わりない。呼吸に合わせて、わずかにふくらんだりしぼんだりを繰り返す彼の身体を、全身で味わった。ただ重ね合わされてるだけの彼の唇が、ずっしりと重たく、刑、罰になる。「うれしい?」「うれしい」「じゃあ態度で見せろ」リエコはおずおずと笑顔を作り、イスに座りながら足を広げた。彼はそんなリエコを見て、「わざとらしい笑顔だなあ」と言いながら、リエコを置き去りにして、教室を出た。取り残されたリエコは、笑顔のまま、足を広げたままイスに座っている。ばかみたいだ。とめどなく涙が流れる。彼が、ほしい。どうしても、ほしい。の 今日の夢シリーズ3土曜日出勤します!おやすみなさい
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ゆがんで あえぐ おじかん です力也は、その女を見て思う。とぼけた顔してんじゃないよ。でも、そっちがその気なら、こっちにだって考えがある。力也は、彼女のことを今日から無視することにした。目の前にいる女の子だ。名前は知らない。住所も知らない。正確な年齢も血液型も誕生日も携帯の番号もアドレスも、だから機種も知らないが、彼女が昔、自分に恋心を抱いていたのは知っている。むかしといっても、二年前の春である。そのとき力也は高校三年生だった。その歳の5月までコンビニでバイトをしていた。そのとき彼女も高校生で太っているわけではないのだが、まぶたに少々肉がついていた。顔の輪郭もぼんやりとしていて、むくんでいるように見えた。グレープフルーツなどの果物を丸ごとごろんと出されたような印象が力也の中に残っている。皮が剥けていないグレープフルーツを出されたような印象である。つまり、「さあ、どうぞ、召し上がれ」の雰囲気が感じられなかった。食べられる状態ではない、と力也は考えた。かのじょは、力也が食べやすい状態にまだなっていないのだ。高校生だったかのじょは、力也がバイトしている時間帯にコンビニへとやってきた。ちらちらと力也に視線を送りながら、雑誌を立ち読みしたり、お菓子や飲料や化粧品を眺めたりする。小さな買い物をしたときは、淡々と代金を唱える力也を、うっとりと見ていた。力也はかのじょのほうを見ていなかったが、うっとりとした眼差しを注がれているのは気配でわかった。センサーが作動するのだ。俗に言うモテセンサーというやつである。モテセンサーというのはモテ慣れてる男子にしか存在しない装置である。女子の熱視線や半開きの唇を感知したり、口には出せないやるせない思い、そして、はしたなくて表現出来ない肉体的な接触の希望に感応し、「いま、モテている」あるいは、「すぐにでも、やれる」を察することが出来る装置だ。力也のモテセンサーは基本的に誤作動はない。お釣りを渡すとき、手と手を触れあうようにすると、かのじょは首をすくめた。でも、かのじょはシャイで、なかなか行動に写さない。かのじょはどんどんあか抜けて可愛くなっていった。皮が剥けたグレープフルーツになった。ある日、彼女がヤドカリみたいなチョココロネをレジに運んでくる。力也はこのチョココロネをスキャンして、袋にいれながら、こう切り出した。「じゃ、付き合う?」そう言いながらチョココロネが入った袋を彼女に差し出す。「え?」かのじょは大きな目を開いた。そして照れ臭そうにレジ袋をひっつかみ、そそくさとコンビニを後にした。色も白くなったし、顎の線も、すっきりした。まぶたの肉もきっとなくなってるけど、前髪に隠れてよく見えなかった。俺のために頑張ったんだろうな。それから2年近く、彼女は来店しなかった。最近やっと、また来店するようになったけど、無視することにした。場面は切り替わり、ある日、かのじょとヤローが歩いてるのを目撃してしまった。あーもー、そーやって、すーぐ妬かせようとする。女って、めんどくさいなあ。そう思った力也は、かのじょがヤローと解散したあとに、かのじょのことを路地裏に連れ込んで、あ、おかんをした。かのじょはおおきな目を見開いて、照れながら足を開いた。力也は可愛くなった彼女の裸の写真をたくさん撮って、どんな場所でも、彼女を抱いたし、どんなことでもさせたし、してくれた。ある日、いつものように、公衆トイレに連れ込み、彼女にち、んぽを差し込むと、彼女はどこからともなく出したナイフを力也のお腹に差し込んだ。何が起こったのか、わからない。彼女はガタガタと震えながら、力也のスマホをトイレに水没させている。そして、トイレから飛び出してたすけてたすけてたすけてたすけてと、甲高い声で叫んでいる。どうしたんだろう。かのじょは、誤作動を起こしたのだろうか。の 今日の夢シリーズ3(´・ω・`)
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ゆがむ おじかん です私は38歳になっている。彼のマンションに行くと、いつも私はハッとした。いつも、ドアを開けて中に足を踏み入れる瞬間に漂う、他人の匂いにハッとした。彼が他人であり、彼には彼の生活があって、彼には彼の家がある。いつもその当然の事に驚きと感動を覚えた。近ければ近いほどにいい。近ければ近いほどいとおしい。近ければ近いほどに愛し合える。20代半ばぐらいまでは、そう思っていた気がする。でも今はそう思わない。彼と一緒に暮らしたいとは思わなかった。そして、私はなぜだか彼にたいして、性的な魅力を感じない。だから、彼と、せ、っくすをしたことがない。男の独り暮らし特有の無機質さが、玄関にまで漂う。廊下に雑誌が積んであったり、それでもバスルームの三面鏡のあたりには妙に整頓されていて、そこにはコンビニで売っているような安っぽい整髪料や歯みがき粉や髭剃りのクリームが並んでいて、棚には何本も同じカミソリが買いだめされていて、そして一本だけ香水が置いてあった。何でかわからないけれど、彼の部屋にあるもの全てが私のツボだった。本当に彼という男には無駄なものが何もなくて、全てが必然的に、必要なものだけが彼の周りに引き寄せられているかのようだった。私は彼の前で普通に着替えるので、彼は私の裸は見たことはある。でも、せ、っくすはしたことがない。なんとなくそんな気分になれない私の気持ちを察して、彼もそんな気分にならないように我慢してくれてたと思う。私は彼のTシャツを勝手に着る。袖を通すとダブダブである。ふざけた会話をしながらケタケタと笑いあった。笑いの余韻の中でニコニコしながら二人同時にタバコに火をつけて、やっと笑いが収まって二人とも呼吸が落ち着いた時、ベッドの上に並んで壁に背をつけながら座り、お互いがお互いにもたれかかった。彼がふいに私の名前を呼ぶ。私はきょとんとした顔で彼の顔を見る。私は彼にたいして、偽名を使っていた。理由、なんとなく。「なんで私の名前知ってるの」「逆に聞くけど、なんで偽名使ってたの」「えっ、なんとなく」「俺のこと好きなの?」「好きだから付き合ってるじゃん」「付き合ってるの?」「うん、だから、こうして、あなたの家にきてるじゃん」「付き合ってるなら、なんで偽名使ったの?」「なんとなく」彼が笑いだしたので、私も面白くなって、つられて笑う。私たちの笑いのツボはおかしい。「おれ、なんにも、ありこのこと知らないよ」「知らなくちゃ、恋って出来ないのかな」「ありこは同棲したことある?」「あるよ、そりゃー、もう、おばさんだもん。20代前半の時ね」「どうだった?」「どうもしないよ」「他には?どんな思い出があるの?」「あんまり、ないよ。そんなに語れるほどの経験は少ない」「ありこは、処女なの?」「そんなわけなくない?同棲までしてた女が、そんなわけなくない?」「だよね」彼が寂しそうな顔で笑いだしたので私も笑う。なんで、そんなこと聞くんだろう。遠回しにやりたいと言われてる気分になり、不愉快になる。「ありこはバツイチなの?」「なんで?さっきから、なんなの?処女なの?って聞いてみたり、バツイチなの?って聞いてみたり、何その一貫性のない質問。私のことピュアだと思ってるのか、私のことビッチだと思ってるのか、よくわかんない一貫性のない質問」「どっちにも見えるから」「どうゆうこと?」「ピュアにも見えるしそうじゃないようにも見えるから。わかんない。読めない」「あー、なるほど」「で、バツイチなの?」「あー、うん」彼は自分で聞いたくせに私がそれを認めるととても嫌そうな表情をした。私は、ふいに過去を思い出す。そして次第に胸の鼓動が激しくなり、どんどん吐き気がこみあげる。「シュン、シュンちゃん、ねぇシュン」あの頃、我が子の名前を、何度呼んだことだろう。何度名前を呼び、何度抱き上げ、何度抱きしめ、何度この子がいなければ死んでしまうと思っただろう。私の息子は交通事故で死んだ。いなくなった今も、私はこうして生きていて、彼氏を作っている。神々しいまでの美しさを備えた我が子を失い、それによって会話がなくなり、どんどん距離が出来た旦那と離婚した。美しい息子と初めて見たときから一秒も休むことなく愛した男、ふたりとも失った。それからというもの、男と付き合っても偽名を使い、ずっとひとりで生きてきた。誰も、私の名前を呼ばないでほしい。誰も、私のことを呼ばないでほしい。あの美しい人達以外。誰かがいなければ生きていけない人間ではなくなり、誰もいなくていい人間であると同時に、誰にとってもいなくていい存在となり、それが心地よくなった。私の乳を生きる糧にして、私がいなければ死んでしまう存在だった赤ん坊は、私の乳ですくすくと育ち、ごはんを食べるようになり、喋り、ヤンチャに走り回るようになった頃に、呼吸を止めて、ただの肉のかたまりになった。私は息子のことを諦めきれずに気が狂い、旦那は気が狂った私のことを諦めた。私はそれまでの自分を諦めた。全てを失ったところからしか、私は新しく何かを始める事が出来なかった。全てを失ったところから、私は一歩も前進しない。だから私は、今の彼氏を失っても、これから先の彼氏を失っても、何も失わないし、何も変わらない。私は常に私を更新し、日めくりカレンダーのように私という表層を剥がし続けていくだけで、川のように流れていく。あれから私は何も失わない。ただ変化していくだけである。へその緒を切った時の記憶が甦る。私が育み、私が産み出した私を、私は自分の手で独立させた。そうして他人となった私を失い、私は初めてまっさらな状態に戻った。自分との境界線すら、時々見失うほど自分自身に近かった存在と、自分との境界線を消したいと願った存在、本当にいとおしく、片時も離したくなかった。私のシュンちゃん、あやしながら何度も繰り返した狂気じみた言葉は、今なお私の頭にこだまする。場面は切り替わり、私と彼氏は別れた。同棲したいという話をしてくるようになり、それと同時に、やりたいアピールが、しつこくなってきたからである。要求が多くなり、感情が出やすくなった彼氏に嫌気がさした。「それが、あなたの素なら、こころ開かなくていいよ。わたしは、優しいあなただけが好き」と言ってみると、彼氏は、とても、ショックをうけた表情をした。男だから仕方ないのかもしれない。彼氏に「私のことを、性的な目で見ないで」と言うのは、し、ねと言ってるのと同じようなもんである。だけど、どうか、クリーンになった私の体を汚さないでほしい。邪魔しないでほしい。でも、それは、ただのキッカケだったのではないかと思う。彼氏の健康的な性欲が引き金になっただけで、彼氏が私のことを性的な目で見ないとしても、私は彼氏と別れていたような気がする。場面は切り替わり、私は赤いパンプスを買いに行った。試着してるとちょっと大きい。店員さんが「もうワンサイズ小さいの持ってきますね」と言いながら奥に消えた。ふいに鏡を見ると、元旦那にそっくりな人がベビーカーを押しているのが見えた。私は鏡越しでそれを凝視する。そのベビーカーの中には私の失った、いちばん大切な私が入っていたはずである。そして、鏡から、その親子は姿を消して、次は、彼氏にそっくりな男が、たまたま通りかかり、鏡に映り、また姿を消していく。私の男たちは、みな、消えていく。そして、私の足にピッタリなサイズの赤いパンプスが、もうすぐ来る。の 今日の夢シリーズ2
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せつない おじかん です30歳の時彼に出会った。31歳で彼と結婚をした。35歳の時、彼の子供を産み、37歳で彼と離婚をした。私と彼との間にあった客観的な事実はそれだけで、それだけを言葉にしてしまうと、それこそ月並みの結婚をして、月並みの終焉を迎えた。泣いたり怒ったりという感情の起伏はあるにはあったものの、私と彼はその月並みな流れに抗うことなく自然と別れを迎えた。ありがちな流れとして、それなりの年齢だった私と彼は、最初から結婚を意識していて、出会ってほどなくして建前は恋愛関係となり、それから一年ほど建前は絶頂期を過ごし、出会ってから二年ほど経つと少しづつ相手の存在や関係に慣れ、三年経てば喧嘩と束縛と孤独の狭間でもがき苦しみ、子供が出来てからはお互いを思いやる余裕がなくなり、面倒なことをお互いに押し付けあってるうちに関係は冷えきった。そうしていつしか私たちは破綻して、私たちから、私とあなたに分離されて、別々の人生を歩むこととなった。子供は旦那が引き取った。月日は流れ5年後。私は再婚をした。「取ろうか」顔を上げると、旦那が手を出していた。うん、ありがとうと言いながら、皿を渡すと旦那は器用にサラダを取り分け、はいと言ってその皿を渡してくれた。献身。この二文字が頭に浮かぶ。何でこの人は男なのに、女の私よりも気がきいて、繊細で感受性が強く、だからといって、神経質でもなく、相手に何も求めてなくて、完璧なのだろう。元旦那とはまったく系統が違う。元旦那はもっとズボラである。ズボラであるのに、繊細で、自分の痛みには敏感で口うるさいのに、私の痛みには鈍感な男であった。まあ、お互い様だけれど。私は今の旦那といると恐怖を感じることがある。失う恐怖である。それは元旦那にたいしても、あったものである。だけどレベルが違う。種類が違う。ぜんぜん違う。元旦那とは最初からお互い結婚を意識して、付き合っていた。結婚をしたくて、恋愛をしたのである。でも今の旦那とは、恋愛からの結婚である。だから怖い。結婚を意識して結婚したって、離婚してしまったんだから、恋愛の延長で結婚したって、こんなに大好きで結婚したって、それがなくなれば、何が残るのだろう。やっぱり破綻するのではないだろうか。場面は切り替わり、それから3年後。旦那のスーツのポケットから、ふ、うぞくの名刺が出てきた。私は「あーらら」と小さく呟く。ほんのりとした嫉妬はあるけど、強烈な嫉妬ではない。これがプロであっても素人であっても私はほんのりとした嫉妬はするかもしれないけど、強烈な嫉妬はしないだろうなと気付いた。3年という月日は人の気持ちを変化させるのに、じゅうぶんな期間である。旦那は変わらず優しい。何も変わってない。何も変わってないように見えて、私たちの関係は、静かに、確実に、変わっているように思える。そして、私は不、倫をしている。自分が何をしたいのか、何を求めてるのか分からないと思った。私は浮気相手でもなく、他の誰とでもなく、ただ唯一、旦那と愛し合いたいんだ。旦那と二人でずっと一緒にいたいんだ。結局、私だけは旦那と結婚したあの時から、何一つ変わってはいないのかもしれない。そんなことを考えながらタバコを灰皿に押し付け消した途端、思い直した。いややっぱり私は浮気相手と愛し合いたいんだ。ふたりきりの世界を作って、現実逃避して、そこでずっと二人で誰からも傷つけられることなく生きていきたいんだ。気持ちが矛盾して破綻して分裂していくのを感じた。私が愛し合いたいのは旦那でもあり、浮気相手でもあり、もしかしたら世の中の好みの男性、全員かもしれない。股を裂かれない限り、私は恋をすることをやめられない。股を裂かれない限り、女は孤独なのかもしれない。ちんちんを切られない限り、男は女を求めることをやめられない。ちんちんがある限り、男は孤独になる。女とは一体なんなのだろう。男とは一体なんなのだろう。私にとって世の中の女にとって世の中の男にとって日本人にとって、異性とは、気分に寄って、着たり着なかったりする、服のようなものなのだろうか。裸でいるのが恥ずかしいから着ているだけなのだろうか。そして、その服は、かっこよかったり、かわいかったり、あたたかかったり、肌触りがよければ、いい。それだけのものなのだろうか。そんなはずはない、と思う。私は全身を焦がして愛していた。強烈に愛していた。でも、その愛の理由がわからないし、行方もわからない。やっぱり、破綻するのではないだろうか。形を変えて、違う種類の愛になるのだろうか。私は今の旦那と結婚したときの事を思い出した。ずっと一緒にいたいと愛を囁きあい、自分たちのこの満たされない気持ちがどうしたら軽減するのかと考えた結果、旦那は私に今すぐ結婚しようよと言った。私はなんの迷いもなく頷いて、私たちは次の日に婚姻届を提出した。旦那への愛に押し潰されそうになりながら、旦那への気持ちが狂おしくて、旦那を閉じ込めてしまいたい気持ちになりながら、結婚をした。それは旦那も同じだっただろう。そしてあの頃とは形を変えて、私は旦那に強烈に執着してるし、旦那も形を変えて、私に強烈に執着している。あの頃とは形を変えて、私は孤独だし、あの頃とは形を変えて、旦那は孤独なのだろう。の 今日の夢シリーズ
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せつないいつもの顔、いつもの生活、何気ない毎日で、ハッとする瞬間がある。私が欲情に入店したころと比べて、ちょっと老けて、店長になった、さそ1のセクシーなくたびれた表情(ほめてる!いい歳の取り方してる)清掃のときに大人っぽい灰色のスーツから、のぞいていた、えすぼうの、たよりなさげな、でもエロス漂う、大人になりかけの坊やの生足。(スーツにはだしって、アンバランスで、くだけてて、でも大人っぽくて、なんか感動した)太ったまま、体がスモール化していく爺さんになった父親の小さな後ろ姿。体形と声が変わった浜崎あゆみ。(今は今で、素敵だと思う)気付かないうちに変わってるものもあるし、気付かないふりをしているものもあるし、表現できないせつなさを感じることがある。変わってないように見えても、世界は、変わってる。悲しいことはない。だけど謎の、せつなさに包まれる瞬間がある。みんなきっと同じままではいれないのである。でも、たぶんわたしは同じままだ。わたしは、ずっと、同じままだから、怖い。永遠の少々
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そうだ。男は靴下から脱ごう。スーツのお殿様は靴下から脱ごう、の巻。間違えても、靴下を最後に脱がないでくださいね!!!ギャグ漫画だよ!(笑)男が、スーツにはだしで、よっこいしょーって座りながら、タバコを吸ってる姿を見てみたいいや、しかし、裸に靴下の女はえろいのに、裸に靴下の男は、どうして、似合わないんだろうね。でもスーツに生足が似合うのは男だけだよ。裸にスーツは似合わないけど、裸足にスーツは似合うよ!私ったら、すごい発見をしてしまいましたね。だから、男は、靴下から脱ごう!明日、出勤します!
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うえーいは、むりだ(笑)遊んでくれた皆様ありがとうございました!今日、お殿様に、「キャピキャピし過ぎずに、暗いわけでもなく、落ち着いてて、いいね。大人っぽい」と、理想の言葉をもらえて、嬉しい私に、うえーいは、むりだ(笑)照れちゃう(笑)そしてうえーいのテンションの人は、苦手だ(笑)あと、ナチュラルでサバサバしてていいねーって言われた相手といるときは、相手に集中するけど、それでも自分の空気とテンションは維持する!おやすみなさい
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重なりあう緊張こないだネット指のお殿様との会話。あり「年々コミュ障悪化してくんだけど、どうしよう。引きこもっていたいもん(笑)宝くじあたればいいなと思う」との「コミュ障なの?」あり「うーん。あがりしょう?逆に威圧的な態度をとるときもある。店員さんとかに話しかけられても、頷くだけだったり(笑)マスクして歩いてるし。夏はサングラス」との「今は大丈夫だね」あり「最初はね。人見知りする。合わない人とか、すぐわかるから、合わないと思った瞬間、バリアはる(笑)」との「ありちゃんは、たぶん、良くも悪くも、言葉を大切にする人だからだよ。繊細すぎて、ぶっ飛んでるからだよ」言葉を大切にするって、嬉しかったーちなみにふと感じるんですけど、たまに相手が緊張してるときがあるんです。それは仕事のときでもそうだしプライベートでデートのときもそうなんですけど、相手を緊張させてしまうときがあるんですよ。緊張してるのが伝わってくるの!!これってなんでなのかって考えたらわたし自身が緊張してるからでしょうね。それでも、穏やかな空気とか親しみやすい空気を出すのは得意なんですけど、やっぱり、50%も出してないのは、波動で伝わるんでしょうね。でも、開こうと思って開けるものじゃないから、ずけずけしてる人は嫌いですねぇ。いるんですよ、なんの努力もせずに、「心を開いてくれ」とか言い出す人。そうゆう人は、だいたい図々しいし、薄っぺらくて、つまらない人間。私は、深い人が好きだ!さてさて、仕事に行きます。
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ゆがんで あえぐ おじかん ですサチコは彼氏の秘密を見つけてしまった。彼氏のクローゼットから、幼女が裸で、足を広げている写真を見つけたのだ。当然モザイクはなく、薄い赤色の筋が鮮明に焼き付いているが、写真の色は少し褪せている。十歳くらいだろうか。陰部にはほとんど毛はなく、胸もほんの僅かにしか膨らんでいない。不思議なことに彼氏がその少女を愛撫し、その少女に興奮している姿は、安易に想像できた。まさか私の彼氏に限ってそんなことしないとは、サチコは思わなかった。なんの疑いもなく、サチコは彼氏の頭はおかしいのだと納得した。彼氏はミステリアスで優しい。彼氏はサチコを抱くときに、サチコを見ているけど、サチコのことを見ていない。違う世界に行ってるように思える。ギラついた目でサチコを抱きながらサチコではない何かを抱いている。サチコはその写真を発見したとき、しっくりと納得した。彼氏が今まで、この子を投影して、自分のことを抱いていたことに気付いたのである。サチコがその写真のことを彼氏に聞いてみた。「見ちゃった」「なにが?」「はだか」「はだか?」「女の子の裸の写真」「えっ」「うん」「違うんだ」「違うの?」「あれは、妹なんだ」「うそ」「ほんとだよ、あれは俺の妹だよ、ちょっと待って、待って」そう言いながら彼氏は家族写真を出した。「俺は別におかしいわけじゃないんだ。そういうあれじゃないんだよ、あれは。俺が中学生のころ、エロ本とかに興味もちはじめて、俺も男だから、そういうものに興味あるし、ちょっと遊び心で、妹も、いちおう女だから、服を脱げって言って、エロいポーズをさせてそれを撮っただけなんだよ。確かにきもいよ、いま考えてみると、きもいよ。でも妹がいる男は、だいたい、妹の裸に興味をもつときは、必ずあるんだよ。中学生なんて、猿みたいなもんだし、ばかな生き物だよ。小さい子供は、そうゆう遊びをして、親に怒られることがあるんだよ」サチコは黙ったまま、何も言えずにいた。言ってることがわかるような、わからないような気がした。「まだ何も知らない子供だったから」「で、あなたは今も、あの写真で抜いてるの?」一瞬、彼氏が目を少しだけ大きく開いて、口を開け、信じられないといった表情でサチコのことを見つけた。いやいや、お前の方が信じられないよ。子供のときの、悪ふざけがすぎた遊びだとしても、あんな写真を大事に取っておくなんて。「そんなこと、一度もしてない」彼は怒りを押さえつけたような声で言った。「信じてよ」「信じてるよ」「信じてないだろっ、ロリコン変態野郎って思ってんだろっ」「信じてる。あなたは妹の写真で抜いてない」「絶対、信じてないだろっ」彼氏は発狂しながら突然クローゼットを勢いよく開け、中のものを次から次へと放り出した。服から箱から雑誌から何から何まで、部屋の真ん中にばらまいた。時折、苦しみに悶えるようなあえぎ声を出しながら、ものすごい勢いで次から次へと物を投げつけ、放り、ぶちまける彼の姿を見て、サチコは感動していた。ミステリアスな彼が感情的になっている。彼の動きは、何か未知なるものを感じさせた。彼は写真をまとめると、ジッポーオイルを振りかけ、火をつけた。サチコはポーカーフェイスで発狂している彼氏を眺める。彼は極度の興奮のせいで激しく肩で息をしていて、すべての作業を終えると、目を見開いて涙を流し、それを親に怒られたような仕草で雑に拭った。彼は狂気じみていた。彼はそれから一本タバコを吸うと、色んな物のなくなった、乱雑な部屋の中でサチコを三度も抱いた。サチコが「妹の話をされて、興奮したの?」と聞きながらきじょういで腰をふると、彼はサチコの腕を引っ張り、上になり、首をしめた。朦朧とした意識の中で、サチコは幼い頃を思い出す。サチコには弟がいる。お風呂の中で弟と互いの性器を触りあい、ふたりで性欲を持て余していた。押し入れの中で性器を擦りあわせ、幼い二人は快楽の終着点を探した。その遊びが一体どこで終わったのか、どちらからともなく終わったのか、今となっては思い出せない。ほんのわずかな期間だったように思う。はじめて彼氏が出来たとき、彼氏を自室に連れ込みせ、っくすをしていたサチコの声を盗み聞きしながら弟がオ、ナニーをしていたことをサチコは知っている。そしてサチコは思う。たとえばそれが弟の今の性癖に何らかの影響を与えていたとしたら、私たちがそれを避ける道は果たしてあったのだろうか。弟は、私のことを憎んでいるだろうか。私の裸を思い出して、いまだに犯、す妄想とかしてるのだろうか。サチコの首に彼氏の指がめりこむ。サチコはかつてないほどに、今日の狂気じみた彼氏を愛してると思った。何度でもこのイカれた変態とせ、っくすをしたいと思った。永遠にこの人とせ、っくすをしていたいと思った。あまりにもいとおしくてきっと、この男をいつか憎む事になるだろうなと思った。私たちは、きっと長く続かないだろう。私たちは、きっと別れるであろう。イカれたもの同士は続かない。兄弟の遊びが長くは続かないように。だから、このまま、こ、ろされてもいいと思った。の 今日の夢シリーズ3
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ゆがんで あえぐ おじかん です私は35歳になっている。恋人がいる。彼の服はいつもどこかださくて、でもそのだささまでも計算づくなのだろうと、私は思った。着る人が着れば完全にオタクになってしまうような服も、彼が着るとファッショナブルに見えた。初めて会ったとき、彼は黒いリュックを背負い、黒いダウンジャケットの下に赤いネルシャツを着て、ジーンズを腰履きしていた。一目見て、ださいと思った。イケメンなのに、やっべぇ、だっせぇと思った。しかも、若干コミュ障である。だけど次の瞬間には格好いいと思った。彼はそれを認めて、自分が他人にどう見られてるかを知っていて、自分を過信せずに生きている。変なプライドがない。完全なる一目惚れである。気付いたら、私は彼に告白していた。第一印象ですごく背の高い人だと思ったけれど、隣に並ぶと彼の背が別に高くも低くもないことに気がついた。細く長い手足が、そう見せたのかもしれない。一重まぶた。彫りは浅いけれど鼻筋の通った綺麗な線。おでこを隠す前髪のうねり。高くないのに高く見える新茶。「うーん」とか「えっと」とか「あっ、はい!」とかコミュ障特有の話し方をすることに私は安心感を覚えた。私も、若干、コミュ障である。人見知りすると、カタコトで喋ってしまうor高圧的な態度をしてしまうときがある。でも、この人は、それを指摘しないし、私のことを見下さないし、私に攻撃をしない。だから、居心地がいい。「アラビアータは?」彼が唐突に言う。さっきまで何を食べようかと話していた、その続きのようだった。タバコを挟んだ彼の長い指を見ていた私は、瞬きをしながら彼を見上げた。「いいね」「うん。俺が作るよ」「作れるの?」「作れるよ」「すごいね、わたし、そんな洒落たもん、作れないぜ。アラジンなんとか」「アラビアータね(笑)任せて!」彼は嬉しそうに腕をまくった。彼は料理がうまい。イタリアンレストランでバイトをしていた事があると、前に言っていた。彼は色々な経験をしている。魅力的だ。彼がなんでも知っている大人に見えるときと、彼がなんにも知らない坊やに見えるときがあって、でも、それをよくよく考えてみると、そもそも私はまだ彼のことをよく知らないんだという結論に辿り着く。場面は切り替わり、私は彼のことが好きだけど、彼の視線に居心地の悪さを感じるときがある。微動だにしない彼に見つめられていると、彼のことがわからなくなる。私の目も黒いけど、彼の目は深い黒に近い色をしていて、見つめているとそこには私の彼に計り知れない永遠に知り得ない何かが眠っているような気持ちになる。彼が私に愛してると囁くとき、ずっと一緒にいようというとき、そうゆう優しい言葉をかけようとするとき、「やだ」と反抗したくなることがある。やじゃないけど、やだ。好きだけど、やだ。あまのじゃくとは違う。やだ、と言いたくなる何かを、彼は眼球から発している。彼は優しい。だけど彼の優しさには狂気が孕んでいるような気がしてならない。まあ、そこが魅力的なのだけども。いつか彼は、私を可愛がりすぎて、私にじゃれついてるうちに、その延長で、私をボコボコに撲、殺してしまうような気がする。めっちゃ笑顔で、そうゆうことをしそうな感じがするのである。えっと、あのさ、俺さ、そうやって口ごもりながら、あやふやなまま、理由もないまま、ただ可愛いと言う理由だけで、愛してるという理由だけで、笑顔で、私になぐりかかってきそうは空気を放っている。彼は私のことをアラビアータの具材にして食べてしまうのではないかと思う。彼は素敵な人だと思う。でも彼のつかみ所のなさや、イケメンなの自信なさげで、ださい服を着ていても格好よく見えることや、背が高くないのに高く見えることや、40近いのに時々幼い子供にしか見えない表情をすることや、そういう彼の奇妙な特徴をひとつ残らず愛しているのに、どこか恐怖を感じるときがある。私は幼さと狂気は紙一重だと思ってるし、純粋と狂気も紙一重だと思ってるし、無邪気と狂気も紙一重だと思ってる。場面は切り替わり、彼がキスをしてきた。私はそれに答えながら薄く目を開けた。彼の手が私の後頭部を掴み、髪の毛を撫でる。あっという間に服を脱がされた。彼がこうしていきなり性欲をあらわにするとき、私はいつも緊張して、体は困惑し、なのに興奮が高まる。ちょっとこの男大丈夫かしらと思うくらい目をギラつかせて、苦しげな息遣いで彼は私の下着の隙間から指をいれた。せ、っくすのとき、彼はいつも怒ったような顔をしていて、じっと私の反応を見ている。蛇に睨まれたカエルみたいな気持ちで、体がすくむ。声を出す私を見ながら、苦悩しているような、難しい表情をする。彼は何と戦っているのだろう。一心不乱に私の中をかき混ぜるように、彼は指を出し入れして、私の反応を見ている。私は潮を撒き散らす。そんな私を彼は敵でも見るかのような目で見てくるけど、せ、っくすをしているとき、確実に彼は何か、違う世界を見ているように感じる。私ではない何かを抱いて、ずっと、苦しんでいる。の 今日の夢シリーズ2若干、実話も入ってます!