あ~イク恋愛生欲情の扉

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宝乃ありな の写メ日記PHOTO DIARY 宝乃ありなのプライベートを覗き見! 随時更新中!

2024年 5月 の写メ日記一覧
宝乃ありな

宝乃ありな(26歳)

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とけて ゆがむ おじかん です

とけて ゆがむ おじかん です

私には
20歳の息子がいる。
友達がいなく
彼女もいなく
もはや女に興味がなく、
ファッションにも興味がなく、
車にも興味がなく、
ボードなんて、洒落たものにも興味がなく、
海でうえーいなんて騒ぐのとは、
程遠い、
そんな、ぼっちでニートの息子には
変な趣味がある。
墓地に遊びに行くことである。
テンションが上がり、
だけど、
誰とも
そのテンションを分かち合えない息子は、
我が家の冷蔵庫から、
旦那のビールを箱ごと盗んで、
墓地まで自転車を飛ばし、
これと決めた墓地にビールを一本備えて
真っ黒な土に腰を下ろして、酔っぱらうのだ。
それを
語る息子に、
「墓に遊びに行って、何が楽しいの。
バチがあたるわよ。
不審者として通報されたら、どうするの!
お願いだから、変なことしないでね。
それと、パパが、
俺のビールがなくなってる!
って怒ってたわよ」
と言ってみると、
墓は、蝉の声が雨のように気持ちいい、と、ポエムのようなことを息子は語る。
次の日も息子は墓地へと出掛けた。
「田端仙太郎」
と書いてるお墓を見つけた息子は
田端仙太郎氏とは
どんな人物だったのだろう。
と考える。
誰の墓石を背もたれにするにせよ、こういうことをするのが、墓地で飲む醍醐味らしい。
息子は
妄想を膨らませる。
明治12年生まれ。
昭和20年没。
享年66歳。
仙太郎という名前はかなり豪華だ。
ただの次郎、太郎のレベルじゃない。
どんな意味があるのだろう。
息子は
いちいち
話を、ややこしく考えたがるし、推理したがる。
田端?
地主?
そうか、地主のボンボンか。
きっと
かなり期待されて生まれた長男で
親父が
「末永く田端を守るのだゾッ」
と願いを込めた長男であったのだろう。
それが身を持ち崩した。
そうでなけりゃ先祖代々の墓に入っているはずだ。
仙太郎は
女に入れあげてしまった。
洋物のアクセサリーなんかを、ねだられて、ホイホイ買って、あとで請求書を見て、
数字が読めなくて、
困ってるところを、
親父に勘当されたに違いない。
人生の転落が始まった仙太郎は
それでも愛に生きようと思った。
彼女さえいれば
何もいらないと。
そして
いざ、
初めてのせ、っくすをしようと、
彼女のことを脱がせたら、
彼女のパンツが
もっこりとしている。
ずいぶん
でかい、くり、とりすだと思ったら、
それは、ち、んぽだった。
なんと
彼女はオカマだった。
それでも
仙太郎は彼女のことを愛した。
だけど、
彼女にふられて、
ろくに職につくこともなく、
母親にそっと渡される生活費で食いつなぐうちに、世間は昭和になり、機能的に動き始め、
無駄飯食らう野郎にはいたたまれないご時世だから、
戦争に行って、時代に名を残そうとしたものの、検査にはねられ、
近所をぶらぶらしているうちに肺癌になり、
病院に行く金もなく、
ゴホゴホと咳き込みながら、死んでいったんだろう。
そうか、仙太郎。苦労したなあ。
まあ、飲めよ。
息子は
仙太郎に同情をしながら、
仙太郎の墓にビールを浴びせた。
そして
自転車で、
蝉の群れを切り裂きつつ、
墓地を後にした。
そして、
帰宅して、
そんな話を延々と
私に、してくる。
「そんな
くだらない話は、
どうでもいいから、
さっさと仕事を見つけなさい」
と言うと、
息子は
涙目になりながら、
部屋に引きこもってしまった。
めんどくさい。
誰の子供だろう。
私の子供である。
の いつかの夢シリーズ

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