あ~イク恋愛生欲情の扉

あ~イク恋愛生欲情の扉

札幌市中央区南5条西5丁目 第2東亜すすきのビル8F | 営業時間:8:30〜23:59

お電話で「スポット見た!」とお伝えください!!

011-563-6919

宝乃ありな の写メ日記PHOTO DIARY 宝乃ありなのプライベートを覗き見! 随時更新中!

2021年 8月 の写メ日記一覧
宝乃ありな

宝乃ありな(26歳)

T160.B90(G).W58.H87

  • それは……!!
    それは……!!

    さそり男「俺さ、冷たいのかな。我が子に、あんまり口うるさくしないし、関心がもてないんだよなあ」
    わたし「それ、さそりあるあるだよ!」
    さそり男「いや、適当に言ってるでしょ(笑)」
    いや、ほんとほんと。
    同じ事を言っている蠍女も蠍男も多いですよ。
    「わたしさぁ(おれさぁ)、あんまり我が子に興味ないんだよね」
    って(笑)
    うちのパパ🦂も、放任ですけど、本当に私が困ったときは絶対に助けてくれるので、
    パパが助けてくれないときは、私は瀕死でも、なんでもないのです(笑)
    瀕死状態なら、助けてくれます。
    うわべじゃないということですよ、たぶん。
    無関係なわけではなくて、
    ただたんに、きれいごととか、調子いいことが言えない真面目な性格なんだと思います。
    たぶん(笑)
    あとは、うちのパパの場合は、いちばん上の姉ちゃんのときは、すごく口うるさくて(姉ちゃんの反抗期もすごかったから)
    昼ドラみたいに、ドロドロしていましたよ(笑)
    私みたいに末っ子になってくると、親も色々と諦めるみたいです(笑)
    ドロドロするのが嫌だから、我が子にさえも、のめりこまないように制御している気がします。
    うるさいのも愛だし、放任も愛だと思います🦂
    以上

  • 寛大
    寛大

    ある程度、生きてきたら、許せない人間とか、受け入れることができない人間とか、存在すると思うんですよ。
    そうして、憎くなったり、嫌ったり、もしくは、憎まれたり、嫌われた経験もありますけど、
    自分の想像とか、自分の景色を、遥かに越えるレベルの寛大な人間というのは、
    性別問わずに存在して、
    そういう人間たちの優しさとか寛大さに触れたときに、
    自分って小さかったんだなと、ふと気付くときがあります。
    家族でもない兄弟でもない女房でもない彼女でもない、それなのに、どうして、ここまで、この人は自己犠牲(だと本人は思っていなかったりする)が出来るんだろうって思ったときに、
    ふと気付くことがあります。
    人間は、
    自称優しい人間のことは、利用しようとしたり、つけこもうとするかもしれないけど、
    本当に優しい人間のことを利用しようと思えないのです。
    だって本当に、仏様みたいで、優しすぎて、怖いんだもの。
    見返りを求めてくる人間よりも、怖いですよ、あまりにも優しくて。
    そういう怖い人間に出会ったこと、ありますか?
    私は、あります。
    女バージョンも男バージョンも見たことあります。
    身近にいるんです、仏様みたいな人間が。
    なんだか、すべてを見透かされていて、すべてを許されているような、そんな優しい人
    怒られない恐怖、許されてしまう恐怖、見透かされている恐怖を感じます(笑)
    そもそも、そういう人間たちに、「損したくない精神」って、ないんですよね。
    だって、あの人たちは、端から相手に期待していないんですからね。
    究極の人間不信なんだろうなと感じます。
    言葉で人間不信とか言っている人は、たいしたことないですよ。
    本物の人間不信は、絶対に言葉に出しませんからね。
    そういう人に出会うと、
    本当に自分の小ささとか、ケチくささとか、醜さとか、視野の狭さに、気付かされます。
    だから今まで生きてきて、
    私にとっては、
    腹がたつとか、許せないとか思っていたことが、
    案外たいしたことないことだったんだなと気付いたりします。
    人に傷つけられるけど、人に癒されるんですよね、ほんと。
    なんで、ここまで、してくれるんだろう!?
    ってね。
    私だったら、絶対に、そこまで、できないと思うし、怒りがわいてくるようなことを、
    できる人間は、存在するんです。
    神々しいわ、ほんとに!!
    だいすきだけど、うつくしすぎて、こわーい
    結論【想像を遥かに越える寛大な人に出会うと、利用したい気持ちよりも、恐怖を感じる】

  • せつなく とける おじかん です
    せつなく とける おじかん です

    フユオは右手を軽くグーパーしてみる。
    当たり前のことだけど自分の意思で動く自分の右手である。
    これは夢ではなく現実だ。
    フユオのことをアリコが見つめる。
    フユオもアリコのことを見つめ返す。
    目があうとアリコは、いつも投げキッスかウインクを飛ばしてくる。
    フユオは、いつも、そんなアリコの、ふざけた愛を両手でガシッとキャッチして、心の中の宝箱にしまっている。
    「ぼけっとしないでよ、
    私みたいないい女が、横にいるのに」
    と言って口を尖らせるアリコの頬にキスをする。
    唇にキスしようとすると
    「私の唇は1000円。
    あなたは奥さんがいるから、私とえろいことするなら、その都度、課金して」
    とか言って金銭を要求してくるので、最近は諦めて頬にキスをするようにした。
    頬のキスは無料らしい。
    タピオカを買ってあげた日は手を繋いでくれた。
    何かを買ってあげると優しくなる。
    「ありこは、おれのことが好きなの?」
    「すきよ、殺、したいくらい」
    フユオは女房とは別居状態だし、
    アリコと肉体関係をもったこともないので、不、倫とは、ちょっと違うのかもしれない。
    だけど精神的には、もうアリコに、のめりこんでいる。
    浮気の入り口には立っているのかもしれない。
    いや浮気じゃない、本気だ。
    べつに嫁なんて、もう、どうでもいいし、別居だから本当にしばらく会ってないし、子供もいないので離婚まで秒読みである。
    それは不、倫する男の言い訳でもなんでもなく本音だし、事実である。
    何も利用していないし、何も利用されていない。
    いいとししたおっちゃんがこんなこと言うとキモイかもしれないけど、
    純粋な恋愛である。
    アリコとのデートの帰り道に、ふとアリコとの出会いを思い出す。
    アリコは、フユオの会社に出入りしているコピー機の業者だった。
    定期点検に1ヶ月に一度の割合で、フユオの所属する総務課に来訪していた。
    静かに作業をし、ものの五分もしないうちに帰っていくので、なんの印象も残っていなかった。
    その日はちょうど昼休みになったばかりの時間帯で、総務課にはフユオしかいなかった。
    女の子たちは、まとまって外に食事に出てしまったし、三人いる男性社員たちも社食に行ったのか、姿が見えなかった。
    生真面目なフユオは、課内の全員が留守になるのは良くないだろうと考えた。
    電話が鳴るかもしれないし、人が訪ねてこないとも限らない。
    フユオは誰かが戻ってくるまで待つことにして、やりかけの仕事にとりかかった。
    そこに業者のアリコがやってきた。
    アリコは気配もなく足音もなく、ふわふわとやってきた。
    あまりにも気配がなかったので、
    だから最初フユオはそのことに気が付かなかった。
    ふと顔をあげたら、コピー機の前にしゃがみこんでいる女がいて、フユオは驚いて立ち上がってしまった。
    「わっ」
    フユオの驚いた声に、女もびくっとした。
    「あっ、驚かせてごめんなさい、コピー機の点検に……」
    そうモゴモゴ言いながらこっちを見た女は、個性的な風貌をしていた。
    長い赤髪は耳の上でふたつに結んでいて、耳かきについているようなフワフワの毛のような髪飾りをつけており、ひらひらとしたミニスカートに目の粗い網みタイツ。
    化粧が濃くて、
    フユオよりは若いと思うしフユオから見たら可愛いけど、
    若くはないだろうな、わりと年齢いってるかなというイメージである。
    その年齢で、そのファッションに赤髪~?
    って心の中で思ったけど、
    次の瞬間には「でも、すごく似合っているし、可愛い」と思った。
    そこらへんで見かけるぶんには、派手だな~ぐらいにしか思わずに、違和感は感じないだろう。
    「若作りおばば」ぐらいに思うだろう。
    だけど郊外にある測量機器メーカーの総務課では、充分に異様である。
    女は名刺をくれた。
    名刺には【営業一課 立花亜里子】と書いてある。
    「たちばなありこさん」
    思わず音読してみる。
    「あっ、それ、亜里子って書いて、ありすって読むんです」
    「ありすさん」
    「はい、でも、ありこでいいです。
    あだ名が、ありこだから」
    「不思議の国のアリスだね。
    ファッションも個性的で可愛い」
    フユオのその言葉に、
    アリコは面白くもなさそうに鼻で愛想笑いをした。
    アリコの面白くもなさそうな愛想笑いを見たフユオは、途端に不安になった。
    なんだろう。
    なんか失礼なことを言っただろうか。
    不思議と個性的って言葉って、
    聞く人間によっては失礼な言葉なのかもしれない、ばかにしているように聞こえたのかもしれないと思って、フユオは反省した。
    それを言うなら、俺のほうが変な奴だし、個性的だ。
    だって、こんなにすぐに、女に惚れてしまうなんて、今までなかった。
    完全なる一目惚れだった。
    アリコは、フユオが目を離している隙に、気付いたら、もういなくなっていた。
    気配もなくやってきて、気配もなく消えていった。
    連絡先聞いておけばよかった!!
    俺の目付きが、きもくて、逃げたのかもしれない。
    それからおよそ一月後に、アリコは再びやってきた。
    「失礼します」と小さな声で言いながら、細く開けたドアをくぐり抜けるように入ってきた。
    まるで何かの影みたいに。
    フユオはその一部始終をなぜか見ていた。
    気にしていたわけではなかったのに、アリコが忍び寄るように入ってきた瞬間には既に、ドアのほうに目を向けていたのだった。
    他の社員たちは、アリコの訪問に気付かないようだったし、アリコがコピー機の点検をしている間も、誰もアリコのことを気にしていなかった。
    その日のアリコは、全身ピンクづくめだった。
    「異常ありません。サインお願いします」
    アリコが近くにいる社員に声をかけると、その社員は声をかけられて、ようやくアリコの存在に気づいた。
    「ぜんぜん気付かなかった(笑)」
    と社員は笑った。
    アリコも、はにかみながら微笑んだ。
    あるとき、社外で偶然アリコを見かけた。
    フユオは仕事帰りだった。
    午後八時頃だったと思う。
    そのときのアリコは全身黒づくめで、
    真っ暗な夜と一体化していた。
    夜と一体化しすぎて、
    誰もアリコに気付かなさそうである。
    それなのに、フユオはどういうわけか、アリコが曲がり角から姿を表し、自分とすれ違うまでの一部始終を、きちんと見ていた。
    誰も気付かないほどに、
    さっと現れるアリコのことを、フユオはいつも必ず見つけてしまう。
    どこにいても、
    たとえ草と一体化していようが、
    太陽と一体化していようが、
    土と一体化していようが、
    必ず見つける自信がある。
    思わず「ありこさん」と声をかけていた。
    ありこは、さして驚いた様子もなく顔をあげ、フユオの姿を認めると、
    「あっ、どこのイケメンかと思ったら、イケメン課長さんだ~」
    と言いながら、笑顔になった。
    これが二人の出会いだった。
    月日は流れ、フユオは離婚した。
    それは別にアリコがどうのこうのとかではなくて、嫁とは本当に別居状態で破綻していたので、ありこの存在がなくても、あっても、間違いなく離婚はしていただろう。
    「ありこ、一緒に暮らそうか」
    「旦那に怒られるから、ダメ」
    「えっ、旦那がいるの?!」
    「言ってなかったっけ?」
    「俺のこと好きなの?」
    「好きよ、殺、したいくらい」
    「じゃあ、なんで……」
    フユオが驚いている間に、
    ありこは、気配もなく、どこかに消えた。
    今度は、どこと一体化しているんだろう。
    もう見つけれない気がする。
    夢だったのだろうか。
    そのあと、再びフユオとありこは再会した。
    だけど30万を貸したら、音信不通になった。
    どうせ返せないだろうなと思っていたし、あげるつもりだったから、それは別にいいんだけど、それにしても、ひどい。
    やっぱり、夢だったのだろうか。
    夢だったら、いいのに。
    フユオは右手を軽くグーパーしてみる。
    当たり前のことだけど自分の意思で動く自分の右手である。
    これは夢ではなく現実だ。
     
    かなしくて、せつなくて、とける。

  • せつなく とける おじかん です
    せつなく とける おじかん です

    フユオは右手を軽くグーパーしてみる。
    当たり前のことだけど自分の意思で動く自分の右手である。
    これは夢ではなく現実だ。
    フユオのことをアリコが見つめる。
    フユオもアリコのことを見つめ返す。
    目があうとアリコは、いつも投げキッスかウインクを飛ばしてくる。
    フユオは、いつも、そんなアリコの、ふざけた愛を両手でガシッとキャッチして、心の中の宝箱にしまっている。
    「ぼけっとしないでよ、
    私みたいないい女が、横にいるのに」
    と言って口を尖らせるアリコの頬にキスをする。
    唇にキスしようとすると
    「私の唇は1000円。
    あなたは奥さんがいるから、私とえろいことするなら、その都度、課金して」
    とか言って金銭を要求してくるので、最近は諦めて頬にキスをするようにした。
    頬のキスは無料らしい。
    タピオカを買ってあげた日は手を繋いでくれた。
    何かを買ってあげると優しくなる。
    「ありこは、おれのことが好きなの?」
    「すきよ、殺、したいくらい」
    フユオは女房とは別居状態だし、
    アリコと肉体関係をもったこともないので、不、倫とは、ちょっと違うのかもしれない。
    だけど精神的には、もうアリコに、のめりこんでいる。
    浮気の入り口には立っているのかもしれない。
    いや浮気じゃない、本気だ。
    べつに嫁なんて、もう、どうでもいいし、別居だから本当にしばらく会ってないし、子供もいないので離婚まで秒読みである。
    それは不、倫する男の言い訳でもなんでもなく本音だし、事実である。
    何も利用していないし、何も利用されていない。
    いいとししたおっちゃんがこんなこと言うとキモイかもしれないけど、
    純粋な恋愛である。
    アリコとのデートの帰り道に、ふとアリコとの出会いを思い出す。
    アリコは、フユオの会社に出入りしているコピー機の業者だった。
    定期点検に1ヶ月に一度の割合で、フユオの所属する総務課に来訪していた。
    静かに作業をし、ものの五分もしないうちに帰っていくので、なんの印象も残っていなかった。
    その日はちょうど昼休みになったばかりの時間帯で、総務課にはフユオしかいなかった。
    女の子たちは、まとまって外に食事に出てしまったし、三人いる男性社員たちも社食に行ったのか、姿が見えなかった。
    生真面目なフユオは、課内の全員が留守になるのは良くないだろうと考えた。
    電話が鳴るかもしれないし、人が訪ねてこないとも限らない。
    フユオは誰かが戻ってくるまで待つことにして、やりかけの仕事にとりかかった。
    そこに業者のアリコがやってきた。
    アリコは気配もなく足音もなく、ふわふわとやってきた。
    あまりにも気配がなかったので、
    だから最初フユオはそのことに気が付かなかった。
    ふと顔をあげたら、コピー機の前にしゃがみこんでいる女がいて、フユオは驚いて立ち上がってしまった。
    「わっ」
    フユオの驚いた声に、女もびくっとした。
    「あっ、驚かせてごめんなさい、コピー機の点検に……」
    そうモゴモゴ言いながらこっちを見た女は、個性的な風貌をしていた。
    長い赤髪は耳の上でふたつに結んでいて、耳かきについているようなフワフワの毛のような髪飾りをつけており、ひらひらとしたミニスカートに目の粗い網みタイツ。
    化粧が濃くて、
    フユオよりは若いと思うしフユオから見たら可愛いけど、
    若くはないだろうな、わりと年齢いってるかなというイメージである。
    その年齢で、そのファッションに赤髪~?
    って心の中で思ったけど、
    次の瞬間には「でも、すごく似合っているし、可愛い」と思った。
    そこらへんで見かけるぶんには、派手だな~ぐらいにしか思わずに、違和感は感じないだろう。
    「若作りおばば」ぐらいに思うだろう。
    だけど郊外にある測量機器メーカーの総務課では、充分に異様である。
    女は名刺をくれた。
    名刺には【営業一課 立花亜里子】と書いてある。
    「たちばなありこさん」
    思わず音読してみると、
    「あっ、それ、亜里子って書いて、ありすって読むんです」
    「ありすさん」
    「はい、でも、ありこでいいです。
    あだ名が、ありこだから」
    「不思議の国のアリスだね。
    ファッションも個性的で可愛い」
    フユオのその言葉に、
    アリコは面白くもなさそうに鼻で愛想笑いをした。
    アリコの面白くもなさそうな愛想笑いを見たフユオは、
    途端に不安になった。
    なんだろう。
    なんか失礼なことを言っただろうか。
    不思議と個性的って言葉って、
    聞く人間によっては失礼な言葉なのかもしれない、ばかにしているように聞こえたのかもしれないと思って、フユオは反省した。
    それを言うなら、俺のほうが変な奴だし、個性的だ。
    だって、こんなにすぐに、女に惚れてしまうなんて、今までなかった。
    完全なる一目惚れだった。
    アリコは、フユオが目を離している隙に、気付いたら、もういなくなっていた。
    気配もなくやってきて、気配もなく消えていった。
    連絡先聞いておけばよかった!!
    俺の目付きが、きもくて、逃げたのかもしれない。
    それからおよそ一月後に、アリコは再びやってきた。
    「失礼します」と小さな声で言いながら、細く開けたドアをくぐり抜けるように入ってきた。
    まるで何かの影みたいに。
    フユオはその一部始終をなぜか見ていた。
    気にしていたわけではなかったのに、アリコが忍び寄るように入ってきた瞬間には既に、ドアのほうに目を向けていたのだった。
    他の社員たちは、アリコの訪問に気付かないようだったし、アリコがコピー機の点検をしている間も、誰もアリコのことを気にしていなかった。
    その日のアリコは、全身ピンクづくめだった。
    「異常ありません。サインお願いします」
    アリコが近くにいる社員に声をかけると、その社員は声をかけられて、ようやくアリコの存在に気づいた。
    「ぜんぜん気付かなかった(笑)」
    と社員は笑った。
    アリコも、はにかみながら微笑んだ。
    あるとき、社外で偶然アリコを見かけた。
    フユオは仕事帰りだった。
    午後八時頃だったと思う。
    そのときのアリコは全身黒づくめで、
    真っ暗な夜と一体化していた。
    夜と一体化しすぎて、
    誰もアリコに気付かなさそうである。
    それなのに、フユオはどうゆうわけか、アリコが曲がり角から姿を表し、自分とすれ違うまでの一部始終を、きちんと見ていた。
    誰も気付かないほどに、
    さっと現れるアリコのことを、フユオはいつも必ず見つけてしまう。
    どこにいても、
    たとえ草と一体化していようが、
    太陽と一体化していようが、
    土と一体化していようが、
    必ず見つける自信がある。
    思わず「ありこさん」と声をかけていた。
    ありこは、さして驚いた様子もなく顔をあげ、フユオの姿を認めると、
    「あっ、どこのイケメンかと思ったら、イケメン課長さんだ~」
    と言いながら、笑顔になった。
    これが二人の出会いだった。
    月日は流れ、フユオは離婚した。
    それは別にアリコがどうのこうのとかではなくて、嫁とは本当に別居状態で破綻していたので、ありこの存在がなくても、あっても、間違いなく離婚はしていただろう。
    「ありこ、一緒に暮らそうか」
    「旦那に怒られるから、ダメ」
    「えっ、旦那がいるの?!」
    「言ってなかったっけ?」
    「俺のこと好きなの?」
    「好きよ、殺、したいくらい」
    「じゃあ、なんで……」
    フユオが驚いている間に、
    ありこは、気配もなく、どこかに消えた。
    今度は、どこと一体化しているんだろう。
    もう見つけれない気がする。
    夢だったのだろうか。
    そのあと、再びフユオとありこは再会した。
    だけど30万を貸したら、音信不通になった。
    どうせ返せないだろうなと思っていたし、あげるつもりだったから、それは別にいいんだけど、それにしても、ひどい。
    やっぱり、夢だったのだろうか。
    夢だったら、いいのに。
    フユオは右手を軽くグーパーしてみる。
    当たり前のことだけど自分の意思で動く自分の右手である。
    これは夢ではなく現実だ。
     
    かなしくて、せつなくて、とける。

  • あえいで ゆがむ おじかん です
    あえいで ゆがむ おじかん です

      
    ヨシオくんが、殺、人がうまいと知ったのは、つい最近である。
    「ヨシオくん、英語の宿題見せてくれない?」
    そんな一言から、ヨシオくんと私の関係は始まった。
    私は自他共に認めるカルイオンナ。
    生まれつきの美貌で、チヤホヤされながら、やりたい放題されていた。
    ヨシオくんはクラスで一番目立たない、おっとりした少年。
    いじめられっこではない。
    いじめても、つまらなそうだからである。
    勉学、運動、風貌、発言。
    すべてにおいて面白くなく、個性がなく、魅力がなかった。
    無益無害。
    そんなヨシオくんに興味をもつ人間なんていなかった。
    女の子はもちろん、教師でさえも。
    そんなヨシオくんに、私は声をかけた。
    ヨシオくんは、私のことをチラリと見ると、しばし沈黙が流れた。
    「ノリコ。ノートなら俺が貸すよ」
    クラスで一番イケメンのハマオが言い、笑顔で近寄ってきた。
    ハマオは、ナルシスト男。
    まるで俺の女扱いに、いい加減、うんざりしている。
    嫉妬深いハマオはヨシオくんのことを睨んだあとに、
    ヨシオくんと私の間に入るように動き、
    私にノートを手渡した。
    断るのもおかしな話だし、
    別にヨシオくんに執着してるわけでもないので、
    私は素直に「ありがとう」と言いながら、ハマオのノートを受け取り、その場を離れた。
    ハマオが追いかけてくる。
    「もうすぐノリコの誕生日だね。
    僕とお祝いしようね」
    「えー?
    予定あるから」
    「ノリコと行きたい場所たくさん、あるんだよ」
    「えー?」
    ヨシオくんは、何事もなかったかのように、文庫本に目を戻した。
    翌日、ハマオが死んだ。
    私は再びヨシオくんの席に向かった。
    「ヨシオくん、数学のノート貸して」
    ヨシオくんは、ぶっきらぼうに、私に数学のノートを突き出した。
    無表情で私には興味なさそうな瞳。
    その視線が、大胆にはだけた私の胸の谷間を見ることはなかった。
    まったく、興味がなさそうである。
    ヨシオくんは再び、文庫本に目を戻した。
    そんなクールなヨシオくんに、
    私は何か話しかけなきゃという強迫観念にかられて、口を開く。
    「ハマオ、転落死だってさ。
    怖いよね」
    ヨシオくんは面倒くさそうにこちらを見て、答えた。
    「あれは、殺、人だよ」
    「え?」
    「簡単にこ、ろせたよ。
    うん、つまらなかったな」
    ヨシオくんは、
    その言葉通り本当に、つまらなさそうな表情のまま、再び文庫本に目を戻した。
    どういうこと?
    ヨシオくんが、ハマオのことを、殺、したの?
    そのあと、私は一日中放心状態。
    授業中はトンチンカンな解答をして怒られた。
    放課後、下校するヨシオくんにノートを返した。
    「ノートありがとう」
    「あー、うん」
    「ねぇ、ヨシオくんは、ハマオのことを、こ、ろしたの?」
    大きなあくびをしながら、
    ヨシオくんが面倒くさそうに答える。
    「うるさいなー。
    ほっといてよ。
    眠いんだよ」
    私はイライラした。
    どうして、こんなに冷たいんだろう。
    ヨシオくんは私のことをチラリと見て、さらに続ける。
    「なんで、
    そんなに谷間見せようとしてくるの?
    興味ないんだけど。
    君って体があれば、男はみんな優しいと思ってるんだね。
    AV見れば間に合うよ。ガキ」
    そんなことを言われて、
    私はムッとしながら、その場を去ろうとした。
    すると、ヨシオくんが、ぼそっと呟く。
    「たとえば、そう、ピアノ線。
    あれを朝、階段のところに張っておくんだよ。
    アパートとかだとフェンスに囲まれただけの階段があるだろう」
    それを聞いて私は、ぞくっとしながら、ヨシオくんの顔を見た。
    ハマオの家は、オンボロなアパート。
    確か階段はフェンス製だったはずである。
    ヨシオくんは面倒くさそうな表情のまま、話を続ける。
    「ハマオは毎朝、遅刻ギリギリで飛び出す。
    その時間に合わせて、ピアノ線を張っておく。
    寝ぼけながら突っ走る階段。
    細いピアノ線なんて見えやしない。
    だから、引っ掛かる。
    足を取られて、フェンス製の階段から真っ直ぐ飛び出した先は、アスファルト。
    彼は何が何だかわからないまま、頭を打ち付けて、死ぬ。
    ピアノ線は回収すればいい。
    わかりはしない。
    遺体の形跡から、何かにつまずいたぐらいはバレるかもしれないけどね。
    だけど、僕までは、辿り着けないよ。
    だって僕には、ハマオを殺、す動機がないもん」
    何を言っているんだろう、こいつは。
    「僕は別に、彼のことをこ、ろすつもりはなかった。
    大怪我だけでもよかったんだけど。
    僕は彼の生死に興味がないんだよ」
    理由がない殺、人なんて、あるのだろうか。
    「どうして、ハマオなの?」
    「いや、別に。
    たまたま目についたから。
    目の前に蚊がいたら、反射的に潰すだろう。
    まあ、どうでもいいんだけど、たまたま目の前にいたから、こいつでいいやと思って」
    「じゃあ、私でもよかったの?
    私のことも、殺、せるの?
    殺、されたのは、私だった可能性もあるの?」
    「うん」
    ヨシオくんは蚊を見る目で、私のことを見た。
    「別に君でも良かったよ」
    その瞳に私は恐怖を覚える。
    その瞳は決して冷酷ではない。
    驚くほど安全な瞳である。
    この人が、ほんとに、さ、つじんきなのだろうか。
    どこか暖かく、まるで聖人君子のような澄みきった瞳。
    「ヨシオくん、今日も、殺、人するの?」
    「まあ暇だから、するかな」
    「殺、してるところ、見てもいい?」
    私とヨシオくんはスーパーマーケットに向かった。
    なんで、ここ?と思っていると、ヨシオくんが得意気に語りだした。
    「たとえば家庭用洗剤を使えば毒ガスは簡単に作れる。
    マヨネーズとか油性食品をうまく使えば、人体の一部を腐食させて機能停止させることが出来る。
    特定の煮汁を血管に注射すれば、敗血症で死ぬ。
    知識と発想さえあれば、なんだって凶器になるんだよ」
    こんな身近な場所に地獄があるなんて、知らなかった。
    翌日の新聞に「デパートの階段で、40代男性が転落、大怪我」と書いてある。
    ヨシオくんはそれを見て「なんだ、死ななかったのか」と呟いた。
    「なんだって、ひどい言いようね。
    あなたのせいで大怪我したのに」
    と言うと、
    ヨシオくんは意味もなく「そうだね」と頷いた。
    ヨシオくんの殺、人を見学するようになってから、一週間が経過した。
    今日もヨシオくんは、楽しそうに人を殺、した。
    「ねぇ、いい加減にしなよ。
    人の命をなんだと思ってるの?」
    「それ非難してるの?」
    「ううん。
    好奇心だよ。なんでそうなのかと思って。不思議でたまらないから」
    ヨシオくんの手が止まる。
    「実は僕も、君に聞いてみたいことがあったんだ」
    「えっ?」
    「君は自分の体を好きでもない男に預けることに抵抗がないんだろう?
    どうしてなの?」
    「えっ」
    「僕は性交するなら、ほんとに好きになった女としかしたくない。
    そうゆうお店も行きたくない。
    だから童貞なんだ。
    それが当たり前だし、常識だと思うんだ。
    君は三桁の男と経験したらしいね。
    どうして、そんなことが、できるの?
    なかには、君のことが本気で好きな男も、存在したのに」
    「それ、非難してるの?」
    「ううん。
    好奇心だよ。なんでそうなのかと思って。不思議でたまらないから」
    ヨシオくんに惹かれていく。
    ヨシオくんは命を大切にしない。
    私は愛を粗末にした。
    なんだか似ている。
    「私ね、始めての相手は、義理のお父さんだったわ」
    「僕が、始めて殺、したのは、お母さんだった」
    私たちは、
    お互いの話をたくさんした。
    「すごく痛かった。
    シーツが私の血で染まったわ。
    翌朝、お父さんは、私にお小遣いをくれた」
    「僕はいつも殴られたり、水に沈められたりしていた。
    だから仕返しに枕元にナイフを仕掛けたんだ。
    母ちゃんの布団が血まみれになった。
    翌朝、僕は、ひとりでご飯を食べた」
    お昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
    私とヨシオくんは、屋上で喋り続ける。
    「せ、っくすの先に何かを求めている。
    オーガズムも潮吹きも経験したわ。
    でも、いつも落胆する。
    だから、わたしは、せ、っくすを繰り返す」
    話ながら思い出す。
    ダメだったせ、っくすを。
    ああ、今日も満たされない、と落胆している私の上で愛を囁くくだらない男たちのことを思い出す。
    「わかるよ。
    ぼくも、人をこ、ろしたとき、そんな気持ちになる。
    うまく、こ、ろせたのに、何も見つからない、満足出来ない。
    だから、その先を求めて、何度も人をこ、ろす。
    そのうち刺激に慣れて、なんの感動も、なんの罪悪感もなくなって」
    「なんか似てるね。
    ヨシオくんと私」
    「うん、とても違うけれど、とても似ている」
    「愛してくれる男はいたわ。
    だけど満足出来なかった。
    いったい、誰に愛されたら私は満足するんだろう」
    「世界でいちばん憎い母ちゃんをこ、ろしても満足出来なかった。
    いったい、誰をこ、ろしたら、僕は満足するんだろう」
    ある日、ヨシオくんは学校を破壊することにした。
    血に染まる床、散らばる肉、漏れる呻き。
    美術室でヨシオくんが、泣きながら体育座りをしている。
    「やっぱり、満足出来なかったのね」
    私の問いかけに、ヨシオくんは泣きながら頷いた。
    彼はこれだけの大量殺、人をしても満足出来なかった。
    サイレンの音が聞こえる。
    ヨシオくんは、もうすぐ逮捕される。
    私は、そっとヨシオくんの体に触れる。
    暖かい体温、心臓の鼓動、脈打つ血管。
    つらかったよね。つらかったよね。ほんとに、つらかったよね。
    私が助けてあげるからね。
    私、ヨシオくんに抱かれたい。
    生まれて始めて、自分のためではなくて、相手のために抱かれたいと思えた。
    どうしてこんなにせかいがきらきらかがやいてるんだろう。
    わたし、あなたを、あいしている。
    お互いに衣類ははだけ、生まれたままの姿に戻った。
    ヨシオくんが、私の性器に指をいれた。
    「まさか、ここに罠を仕込むとはね。
    うらやましいよ。
    男の僕には出来ないから」
    ぎくり。
    「これを仕込んでおけば、
    男が挿入すれば、刃が飛び出して、男の下腹部に刺さるもんね。
    女だからこそ、出来ることだ。
    君は賢いね」
    私の罠に気付いても、ヨシオくんは動揺もせずに、私の中に入ってきた。
    私の体を私の髪を私の頬を、
    いとおしむように撫でながら私にキスをしながら、
    私の中に侵入してきた。
    がしょん。
    冷たい刃が彼の中に入った。
    私たちは、もう一度、深いキスをした。
    私が抱かれたかったのはヨシオくん。
    ヨシオくんが殺、したかったのは、自分自身。
    私はヨシオくんのことを抱き締めながら、嬉しくて泣いた。
    の いつかの夢シリーズ

  • ゆがんで あえぐ おじかん です
    ゆがんで あえぐ おじかん です

    リサコは子供の頃から不思議な夢を見る。
    他になんといえばいいのかわからず、「夢」という言葉を使っているが、リサコにとっては「もうひとつの人生」だ。
    もうひとつの人生では、
    暗い川べりを男と歩いてることが多い。
    空には星が輝いている。
    「さむくはないかい」
    と恋人が言う。
    黙って、首を縦にふりながら、恋人の袖をそっと握る。
    ともに歩く恋人の名前は「小平」というのだと、だれに教えられることもなく、なぜかちゃんと知っている。
    リサコは子供の頃、
    ひとはみな、夜には別々の人生を生きるのだと思っていた。
    眠りの世界で、昼間とは違う名前と顔と生活を持っているのだと、それが当たり前なのだと、ずっと思っていた。
    だけど、どうやらそうではないらしいと、やっと気付いたのは小学校三年生の時だった。
    朝ごはんを食べながら、いつものように母に「小平との暮らし」について喋っていたら、
    「もう、また、その話?
    変な子ね。
    ただの夢でしょ」
    と、母が顔をしかめて言った。
    そのときに、
    母も父も友達も先生も、もうひとつの人生は生きていないのだと、初めて知った。
    リサコは、困惑した。
    だから、リサコは、他人に、その話をするのをやめた。
    リサコはあれを夢だとは、どうしても思えない。
    だって、昼間の生活と同じくらい生々しい質感を宿している。
    それを夢と言われても、困るのである。
    毎晩必ず、小平との生活が待っている。
    夜の世界は、江戸時代である。
    掘っ立て小屋みたいな長屋の一室で、小平と一緒に薄っぺらい布団をかぶって眠る。
    私たちは貧乏生活を送っている。
    支払いが滞って米を売ってもらえないときは、料理屋の裏手から残飯を拾ってくる。
    そして小平と寄り添いあいながら、仲良く腐りかけの残飯を食べる。
    小平がどんな顔をしているのか、いつもよく見ることが出来ない。
    見るんだけど、昼間の生活に戻ると、小平の顔が思い出せなくなる。
    日差しが強くてまぶしかったり、
    暗い川べりを二人で黙々と歩いていたりするからである。
    小平はリサコのことを「お花」と呼ぶ。
    呼ばれるたびに、お花の胸には喜びがあふれる。
    この男が好きで好きでたまらないと感じる。
    リサコは小学校で性教育の授業を受ける前から、せ、っくすという行為を知っていた。
    もうひとつの人生で、
    よく、小平とお花が、していたからだ。
    だから授業で習った時、
    「ああ、あれは、せ、っくすというのか」
    と納得した。
    お花と小平は、
    死ぬために死ぬ場所を探して暗い川べりを歩いている。
    でも、死にたくないとも思ってる。
    出来るなら、ふたりで生きていきたいと思っている。
    いったい、この二人には、何があったのだろう。
    リサコは中学生になり、
    「前世」という言葉を知った。
    そのとき、リサコが毎晩見ている、もうひとつの人生は前世なのだと納得した。
     
    「なあ、お花、疲れたな」
    小平が、そう言い、お花は頷く。
    そしてまた、暗い川べりを歩く。
    「お花、覚悟は出来ているか?」
    「ええ、あんたとなら、どこだって行くわ」
    お花は川を背にして、草の上に正座をする。
    「本当に、あんたも、すぐに来てくれる?」
    「こうして一緒に死のうというときにも、まだ俺の心が信じられないのか。
    遅れはとらん。
    すぐに行く」
    お花は覚悟を決めて、目を閉じ、手を合わせる。
    そんなお花の首に、小平が、紐を巻き付け、思いっきり締め上げる。
     
    だめ!リサコは叫ぼうとするけど声にならない。
    そしてその日以来、夜のもうひとつの人生を見ることはなくなり、リサコはリサコとして生きるようになった。
    そうして小平のことも、お花のことも、忘れかけていた頃、
    社会人になったリサコは、
    こっちの世界で小平に会ってしまった。
    ついに出会ってしまった。
    それは職場の課長である。
    声も顔も小平である。
    今まで、うっすら、ぼんやりしていた小平の顔が、
    課長の顔を見た瞬間に、見事に一致していた。
    やっと出会えた。
    だけど課長は結婚していて、もう中学生になる息子と小学四年生になる娘がいると聞いたことがある。
    どう動けばいいのかわからないリサコのことを、課長が口説き始めた。
    これは運命に違いない。
    こうして、ふたりの不、倫が始まった。
     
    「妻に別れ話はしている」
    「妻がごねてるだけで、
    ちゃんと離婚するつもりだよ」
    「娘はまだ中学生だから。
    仕方ないんだ、さみしい思いはさせたくない」
    と、課長は、ありきたりな台詞をはく。
    こんなありきたりな言葉を誰が信じるであろう。
    リサコだって、そう思っていた。
    でもリサコは課長のことを信じている。
    だって、課長は小平の生まれ変わりなんだから。
    クリスマスも正月も、課長は妻子と過ごす。
    課長の娘のために、プレゼント選びを手伝い、家へ帰っていく課長のことを笑って見送る。
    さみしい。
    だけど、我慢できる。
    課長とリサコの二人きりの生活が始まった。
     
    奥さんへの慰謝料の支払いで お金がないらしい課長のために、リサコはスーパーのレジ打ちをしたり、色んな仕事を掛け持ちする。
    「ねぇ、結婚しようよ」
    「そのうちな、そのうち」
    「そのうちって?
    わたし、もう36歳だよ!
    子供ほしいよ。
    どんだけ待ったと思ってんの?
    もう、こんな年齢で、子供うめるかも、わかんない!」
    「リサコ、怒らないで聞いてくれ」
    と、さえぎった課長の表情を見て、リサコも顔の筋肉を強張らせる。
    「言いそびれてたけど、俺まだ、奥さんと離婚してないんだよ」
    意味がわからない。
    「どういうこと?」
    声がかすれる。
    「じゃあなんで貯金がないわけ?
    奥さんへの慰謝料じゃなかったの?
    いつ別れるの、いつ私あなたと結婚できるの、会社だってやめたんだよ、あなたが俺と暮らそうっていうから、ここまで来たのに」 
     
    溜め込んだ鬱屈がほとばしり、リサコは泣き叫んで、近くにあるものを手当たり次第に投げる。
    湯飲みもクッションも小さなローテーブルも写真たても。
    だけど以前、
    課長が旅行のお土産でくれた貝の小瓶だけは、少し手加減して、壁ではなくて、カーペットに投げつけた。
    「ちょっとこじれてるだけで、本当に、もうすぐ離婚が成立するから」
    なだめられ、感情を爆発させたおかげで、すっきりしたので、それならまあいいかとリサコは課長と仲良く眠る。
    リサコは課長と、しょっちゅうケンカをするようになった。
    そのたびに、もうすこし、もうすこしだから、と上手く言いくるめられ、冷静を取り戻す。
    けれどだんだん情緒不安定になりはじめたリサコは感情の振幅が大きく、間隔は狭くなり、自分でもおかしいと思うほど、キレやすくなった。
    はじめは反論しなかった課長も、このごろでは怒鳴り返してくる。
    手が出ることもある。
    リサコは殴られて壁までふっ飛ぶ。
    もう、なん十回目かわからないケンカをして、リサコは顔の形が変わるほど殴られて、わあわあと泣き叫ぶ。
    子供のように床になき伏す。
    しまいには呼吸が苦しくなり、ひきつけを起こしたみたいに体が痙攣した。
    課長が抱え起こしてくれる。
    リサコは課長に刃物を向けるようになったし、
    自傷行為もするようになった。
    リサコもボロボロだけど、
    課長も、どんどん、やつれていく。
    「ねぇ死んじゃおうよ。
    私たち江戸時代から恋人同士だったんだよ。
    知ってた?
    来世でも絶対にまた会える」
     
    その日もリサコは課長にボコボコにされた。
    傷だらけのリサコが布団の中でくるまっていると、
    課長が
    「疲れたな」
    と呟きながらリサコの布団の中に入ってきた。
    そして課長は
    「もう、やめちゃいたいよな、ほんとに、つかれた」
    と、ブツブツと、つぶやきながら
    リサコの下半身だけ脱がせ、リサコにまたがり、腰を動かす。
    リサコも動きに合わせる。
    動きが激しくなる。
    課長の手が強い力でリサコの鎖骨あたりを抑え、そのまま首筋をゆっくりなぞりあげる。
    のしかかる男の影は夜に似た黒さでリサコの視界を覆い尽くす。
    そして課長の唇がリサコの唇を塞いだその時、リサコは枕元に隠していた折り畳みナイフで、課長の首を刺した。
    の いつかの夢シリーズ

  • 私の喘ぎ声は美しいのよ?
    私の喘ぎ声は美しいのよ?

    あそんでくれたおとのさまありがとうございました
    しゃし?ねっとし?が、
    ポンポンっと連続で続いたので、嬉しかったです
    「日記見ていて、ずっと会いたかったんだよ~」
    って
    そのお殿様に、けつのあな舐められながら、自分でデンマあてながら、いったんですけど、
    すんげー、えろい声だったね、とスタッフさんに、ほめられました
    私のあえぎごえ聞き慣れていないスタッフさんだと、もしかしたら、ぎょっとするかもしれませんね。
    「ごめんなさーい、イヤーッ」
    とか叫ぶからね(笑)
    なにごと?!みたいに、ビクッとなるスタッフさんも、いるかもしれません(笑)
    だけど、私のあえぎごえにもレベルがあって、昨日のあえぎごえは、全然たいしたことないと思います。
    昨日のあえぎごえは、美しいと思います。
    ぜんぜん、昨日は、まだまだ本気じゃない
    わたしのからだのどこから、あんな、こえが、でてしまうのかしら

  • ひどすぎ?
    ひどすぎ?

    パンツに腹のっとるやん
    甘やかされたダイナマイトバディです
    久しぶりに今日、体重計に乗ってみたら、ひどすぎて時が止まった気がした
    明日から痩せる、たぶん。
    いや今日から!今日から!

  • いい日かも?
    いい日かも?

    今日の蠍座一位だ
    いいことあるかな
    19時から出勤するので、過ごしましょう
    時計を見たら1149!!
     いい子宮❤️

  • そうなのか!
    そうなのか!

    優しい男性に
    「優しい男性は、誰にたいしても優しいのかな?」
    って聞いてみたら
    「誰にたいしても優しいかもしれないけど、してあげることのレベルは、やっぱり相手によって変わるべさ」
    って言っていた
    そうなのか~。
    たんなるお人好しは存在しないんだね
    そりゃあ、たんなるお人好しだったら、奪われ尽くして、破産して、生きていけないよね(笑)

スポットナビ
スポットナビ