あ~イク恋愛生欲情の扉

あ~イク恋愛生欲情の扉

札幌市中央区南5条西5丁目 第2東亜すすきのビル8F | 営業時間:8:30〜23:59

お電話で「スポット見た!」とお伝えください!!

011-563-6919

宝乃ありな の写メ日記PHOTO DIARY 宝乃ありなのプライベートを覗き見! 随時更新中!

2024年 5月 の写メ日記一覧
宝乃ありな

宝乃ありな(26歳)

T160.B90(G).W58.H87

せつなく ゆがむ おじかん です

せつなく ゆがむ おじかん です

メンコとヘラオは3年ほど交際をしていた。
ある日、口論になり別れた。
世の中には憎まれる設定を好む人間が存在する。
その思考になる人間は、大体プライドが高く臆病である。
プライドが高いヘラオは、メンコと別れて2ヶ月が経った頃に、
メンコにショートメールを送った。
それは冒頭から、
「僕のことが憎いでしょうが、申し訳ありませんでした」
とずらずらと当時の非礼を詫びる文章である。
「あなたの人生に今後一切関わらないことをお約束します」
「あなたの幸せを願っています」
「謝ることしかできません」
「僕の力不足でした」
「あなたのことが、ずっと心配でした」
というお決まりの文句であり、
無意識に上から目線な内容である。
メンコは、その文面を読みながら首をかしげる。
え?べつに憎んでいないよ?
なんで憎んでいるって設定にしたがるの?
どうして、まるで私がヘラオを憎んで憎んで憎みまくって執着しているって設定にしたがるんだろう。
憎いとか、そんなこと私、一言も言っていないよね。
そしてメンコは、
その文面から漏れてくる【俺を忘れないで!】という悲鳴を、ぼんやりと感じ取った。
彼はまだ、あの日のままなんだな。
といっても、べつに1日中、私のことを考えているわけではないだろう。
だけど彼は、きっと、ふとメンコのことを思い出して下半身がウズウズしたり、もしくは寂しくなったとき、
自分が優位に立てるように自分のプライドを守る言い回しをしながら、こうやってメンコに接触してくるのだ。
未練とは違うんだろうけど、
なんてゆーか執着というか、彼は私への気持ちを捨てきれないまま、あのときで時間がストップしたまま、なんだかんだ戻れるだろうと思いながら、
この2ヶ月を過ごしたのだろう。
別れてから一切の連絡も接触もなく、彼の存在はメンコの中で消えかけていた。
ヘラオは、いつだって優位に立ちたがる。
自分がしたいことを、なぜか「メンコがしたいって言うなら、しょうがないから、してやるよ」みたいな言い回しをして、
彼女が俺を求めるから、仕方なく構ってあげる優しい俺様
みたいな設定にしたがる。
そうゆうヘラオの卑しい性格にメンコは、うんざりしていた。
だから肩の荷が下りたという開放感があった。
でもヘラオは一生懸命メンコのかけらを探したのだろう。
メンコに会う機会を待ち、メンコから連絡が来る瞬間を待ち、「やっぱり友達でいたい」というメンコの言葉を待ち。
あわよくば「抱きしめて!」とでも言うことを望んだのだろう。
本当に終わってしまったのか。
彼女は俺のことを忘れてしまったのか。
俺はまだ彼女を必要としているのに。
どうなりたいとかじゃないけど、どうにかなったらラッキーである。
なおかつ、それが俺にとって都合のいい形だったら最高だ。
きっとヘラオは、
そう思ったのだろうと推理する。
でも正直にそれを伝えることはできない。
それがヘラオという生き物である。
メンコは得たいの知れない不快感と圧迫感を感じて、ヘラオのメッセージをスルーした。
場面は切り替わり
ヘラオはその日、酔っぱらっていた。
夜中にふと寂しくなって、
メンコにメッセージを送ってみた。
あいつ俺のことが恋しくて病んでいるかもしれない。
仕方ないから構ってあげよう。
メンコは素直じゃないから。
そう思いながら文面を考えた。
だけど、ふいに心の奥底で不安がくすぶる。
認めたくないけど臆病でビビりで内弁慶な自分がいる。
メールを送っても、もしスルーされたら。
着信拒否されていたら。
そのときのショックを考えると怖くて動けなくなる。
だからショートメールという安全地帯を頼った。
内容は、お詫びの文ならもし届いて読まれても不自然にならない。
いい人って思ってもらえるかもしれない。
だけどそんなことを送ったら
「会いたい」
ってメンコが言ってくるかもしれない。
そう言われたら、どうしよう。
勘弁してほしい。
面倒くさい。
まあ、メンコがどうしてもって言うなら、一回くらい抱いてあげてもいいけど。
やり直すことは出来ないけど、
メンコがどうしてもって言うなら、体の関係くらいは続けてもいいけど。
そうやって何とかしてメンコに連絡する「理由」を探した結果、
【謝ってあげている大人な俺様】という設定を選んだ。
あらかじめ「憎いでしょうが」と設定することで、先回りすることで痛みを回避した。
えいっと送信する。
だけど見事にスルーされてしまった。
スルーされる展開も想像はしていたけど実際にスルーされると、やっぱり驚いた。
回避したはずの痛みは、濃い痛みになった。
そして、こう結論づけた。
俺のことを憎んでいて、素直になれないんだろうな。
憎まれていないと困る。
そして、
相手が自分を許してくれる設定を想像しなければ、
人間は謝罪なんてする気にはならない。
メリットがないからである。
なんだかんだ許してくれるだろうという期待があるからこそ、謝罪をする。
こんな文字だけの謝罪なんて、本当の謝罪ではない。
文字なんて数分で打てる。
文字なんてトイレしながら打てる。
文字なんて鼻をほじりながら打てる。
そんなもの本当の謝罪ではない。
安全地帯から出ないまま、一方的に自分の気持ちだけを送りつけてきて存在をアピールするような方法しか思いつかない。
そこには
「こんな俺を受け入れて。お前から俺のことを求めてこい」
という甘えがある。
メンコを尊重する姿勢はなく、ただ自分の心を満たすことだけが頭にある。
本心は、
「ぼく、
あなたに必要とされたいんです。
ぼく寂しいんです」
である。
たったそれだけを伝えたいのに、それを伝えたら負ける気がする。
そんな汚い感情を見抜かれて見事にスルーされてしまったけど、
もしもメンコから返信が来ていたら、
俺は、きっと「ただ謝りたかっただけで下心なんてない」と言い張る。
メンコのことを必要としていて、メンコに必要とされたい本音など絶対に認めたくない。
勝手に「俺はあなたに憎まれても当然」と設定することでしか自分を救えないし、自分に自信がない。
「二度とあなたの人生に関わらないとお約束します」という言葉は、
「だからあなたから関わってきて」という図々しい感情から生まれてくる台詞である。
憎まれないと、俺の存在価値がなくなる。
どうか忘れないで。
俺は忘れていないから。
こうしてヘラオは今日もメンコのことを、ふいに思い出す。
特に酔っぱらっているときは、
衝動的にメンコにポエムを送りつけそうになる。
お願いだから俺のことを憎んでほしい。
憎まれないと困る。
の いつかの夢シリーズ2

一覧に戻る
スポットナビ
スポットナビ